2021年2月1日月曜日


 
 
生物学を切開する
347600寿命を画期的に延ばす物質が発見
 
真鍋一郎 ( 30 鹿児島 会社員 )19/07/14 AM00 【印刷用へ
自然界には細胞を若返らせる生物がいる。
人間にも応用しようとする動きもあるが、遺伝子を操作することの怖さが欠如しているようにも感じる。

以下(リンク)引用
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■テロメアとは何か
テロメアは私たちの体を形づくる細胞の細胞分裂に大きくかかわっている。人間の体内には37兆個の細胞があるといわれ、その細胞の中には遺伝情報を伝える染色体がある。この染色体の端にあるのがテロメアである。

細胞分裂するごとにテロメアが短く減っていき、50~60回分裂すると、それ以上テロメアが短くならない限界に達する。細胞分裂ができなくなると寿命となり、その後機能を停止する。いわば細胞の老化だ。

回数券のように減っていくことから、テロメアは「命の回数券」と呼ばれるようになった。テロメアの長さを調べれば、寿命を正確に予測することが可能になる。

しかし、自然界にはテロメアの回数券が復活する不思議な生物が存在する。ロブスターがその代表的な生物である。ロブスターは驚くべきことに「老化しない」体を持っている。ロブスターは、細胞分裂で減っていくテロメアを修復する「テロメラーゼ」という酵素をつくる機能を体内に持っているのだ。テロメラーゼは、いわば細胞を若返らせる酵素である。だからといって不老不死ではない。環境の悪化や天敵による捕食によって死んでしまうため、どれほど長く生きられるか正確にはわかっていない。
また二枚貝も同じ機能を持っており、ロブスター同様に「老化しない」体であることが知られている。13年、アイスランドで取れた二枚貝が、調査の結果507歳であることがわかった。つまり、日本が戦国時代だった頃から生きていたことになる。この二枚貝の超長寿の秘密も、テロメラーゼの働きにあるのだ。

テロメラーゼを発見したのが、先述したブラックバーン博士だ。同博士は、1984年に単細胞生物の中にテロメラーゼを発見し、09年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。しかし、当時は人間の体内では発見することができず、ヒトへの応用研究はなされないままだった。

しかし90年初頭、ビル・アンドリュース博士という人物が、人間の体内に「ヒトテロメラーゼ」を発見する。長らく、人間の細胞にはテロメラーゼをつくる仕組み、すなわち細胞が若返る仕組みがないと思われてきた。言い換えると人間の細胞は、細胞分裂を繰り返せば、いつかはテロメアの長さの限界に達して細胞の寿命が尽き、細胞老化は避けられないと考えられてきたのだ。

ビル博士は、人間の細胞の中に、例外的にテロメラーゼをつくる細胞があることに着目した。それは生殖細胞だ。仮に生殖細胞がテロメラーゼをつくることができなかった場合、親の老化した細胞のまま、次の世代(赤ちゃん)が誕生することになり、人類は早々に滅亡してしまう。それを避けるために、生殖細胞にはテロメラーゼをつくる仕組みが備わっているのだ。ビル博士は、「ひとつの受精卵から分化したのだから、すべての細胞に、細胞を若返らせる仕組みがあるのではないか」と仮説を立て、研究を続けた結果、画期的な発見をすることになる。

ビル博士は、人間のすべての細胞にロブスターや二枚貝のような細胞を若返らせる「テロメラーゼ遺伝子」があることを発見し、それが発動していない仕組みも解明したのだ。ヒト細胞は若返らないように“鍵”がかけられているという。ヒト細胞のテロメラーゼ遺伝子の近くには特殊なタンパク質があり、それが遺伝子を発動させないように抑制していた。簡単にいえば、ヒト細胞を若返らせる遺伝子を眠らせるための「眠りのスイッチ」の役割をしている特殊なタンパク質があり、それをビル博士が発見したのだ。
ビル博士は、この研究成果によって97年、米国の「その年の著名な発明・発案者」(National inventors of the year)を受賞する。

さらにビル博士は、この特殊なタンパク質を取り除く物質があるかもしれないという大胆な仮説を立て、99年から07年にかけて約6万の化学物質を調査した。その結果、「眠りのスイッチ」のタンパク質を取り除く画期的な物質「TA65」を発見した。ビル博士は、その物質を「テロメラーゼ誘導活性物質」と呼び、この発見に伴う特許も50以上取得している。ビル博士の発見は、細胞を若返らせる可能性があるのではないかと大きな話題となった。
 
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