2013年4月28日日曜日




 金地金の相場が暴落した。4月12日からの2営業日で、金価格はドル建てで10%ほど下がった。しばらく前から、米国の金融界は、金相場の大幅下落を予測する報告書を出していた。3月末にはゴールドマンサックス(GS)が、金相場が1オンス1200ドルまで下がるという予測を出していた。3月末の金相場は1600ドル前後で、急落後のいま(4月16日)は1300ドル台だ。GSの予測はほぼあたっていた。

http://www.activistpost.com/2013/03/ignore-banks-bearish-statements-on-gold.html
Ignore Banks' Bearish Statements on Gold

 米金融界が、今回の金暴落を事前におおむね正確にあてられたのは、当然ともいえる。金相場の暴落は、米金融界が引き起こしたものだという指摘があるからだ。暴落が始まった4月12日、メリルリンチ(バンカメの一部門)の仲買部門が、顧客からの依頼を受け、金先物市場で60億ドル分の売り注文を出し、相場が急落したという。その後、ヘッジファンドや投資銀行などの機関投資家がこぞって金先物を売り放ち、合計150億ドル分の売り注文によって下落が加速した。

http://investmentwatchblog.com/massive-20-billion-paper-gold-sell-orders-trigger-stop-loss-selling-and-unfounded-panic/
Massive $20 Billion Paper Gold Sell Orders Trigger Stop Loss Selling And Unfounded Panic

 この日の数時間で売られた金先物は、金地金の現物に換算すると400トン分で、世界で1年間に掘り出される金地金の15%にあたる。とはいえ実際に売られたのは金の現物でなく、現物とつながりがない金先物だ。金地金の価格は、金相場によって決まるが、金相場は現物の市場でなく、現物との交換を前提としていない先物市場だ。

 価格操作が頻発する先物相場に影響されない、現物の需給だけで決まる「金の現物価格」は、今の世界に存在しない。先物の価格が現物の価格である。先物市場は、実際に賭けた資金の10倍とか20倍の価格分を投資できるので、取引の額は、現物より先物の方が何十倍も大きい。だから、金相場は金融界の意志によって簡単に動く。

http://tanakanews.com/130413bubble.php







0 コメント: