2016年10月4日火曜日

い人の賢さは脳の大きさに関係ない!!
長年にわたり「ヒトの知性が進化したのは脳が大きくなったからである」という理論が支持されてきたが新たな研究報告では、知能の進歩には脳の血流の多さと密接に関連していることが示唆された。
アデレード大学(オーストラリア)生態・環境学のRoger Seymour氏らは、今回の研究で、化石の頭蓋底にある2つの穴の大きさを分析した。この穴は脳につながる動脈を通すために開いているもので、分析することにより300万年間にわたるヒトの知能向上の痕跡を辿ることができた。
その結果、ヒトの進化の過程で、脳の容量は約350%大きくなったが、脳への血流は600%も増加したことが判明したという。この変化により神経細胞間の接続を活性化するための脳内の需要を満たせるようになった可能性があり、それにより複雑な思考・学習ができるように進化することが可能になったと、同氏らは考えている。
高い知能を発揮するために、ヒトの脳は血液からの酸素と栄養の供給を常に必要とする。Seymour氏は、「脳の代謝活性が高くなるほど、より多くの血液を必要とするため、血液を供給する動脈は太くなる。化石の頭蓋底にある穴は、動脈の太さの正確な指標であった」と話す。研究結果は「Open Science」8月31日号に掲載された。

私は長年の感覚研究から脳との関連性の研究もして参りました。そんな中でなぜ「人が賢いか」について分析もしております。
人の脳は成人男性で1400g、女性で1350gほどと言われて来ました。我々の先祖、400万年前には1000g以下の脳の大きさだったので、現代人(ホモ・サピエンス)は、賢いのは脳の大きさ、重さ(体重比)だと長年思われていました。ところが脳科学研究が進むにつれて、人の賢さは脳の大きさや重さではなく、脳活動にあったのです。
詳しく説明すると「脳神経細胞の密度に関係」しています。約20万年前に誕生したホモ・サピエンス(賢い人)の脳の重さは1200g程度だと言われていました。そして、現代人とほぼ、同じ脳の大きさ、重さを持ったのは1万年前の人たちだと言われています。
では、同じ脳の大きさを持つ、現代人と1万年前の人たちでは脳の大きさが変わらないのに、賢さだけが違うのか!?それは、脳活動の違いです。つまり、脳神経細胞(ニューロンネットワーク)の違いなのです。
簡単な言語しか話せなかった1万年前の人類と、複雑で多彩な言語を話す現代人、これらこそがニューロンネットワークの違いです。
現代人の人の脳細胞の数は約100億あり、グリア細胞に至っては1000億あります。ところが、人の脳細胞は20歳を過ぎた頃から毎日10万という数のニューンロンが死滅していきます。その死滅した脳細胞を掃除したり、栄養を送ったりと賢い脳細胞があります。それが「グリア細胞」なのです。
そして、1万年前の人類と現代人の頭の賢さの違いは「記憶力と創造性」のレベルの違いが桁違いでした。
複雑な言葉と言語を巧みに使い、創造的な創意工夫などから「様々な便利な道具」を発明、開発して来ました。
それは「人類の進化の過程で(子孫を繁栄)させるための手段として創造性が生まれたものです」。
現代人の賢さこそが、良い面も、悪い面も生み出しています。例えば、人を助けるために頑張っている人がいる一方で、世界では何所かしらで戦争をして殺しあっています。
戦争して殺し合うことが賢い人の行うことでしようか!?それは「愚かな人」と呼ぶべきだと思います。
また、人は子孫繁栄のために「愛し合い、結ばれて子供を産み、育てます」。ところが、生物界でも人だけが「快楽を楽しむ生き物です」。
多くの生き物たちは子孫繁栄の「繁殖行動」が人には、快楽と恍惚感を生みだす行為でもあります。
今現在、世界各地でテロの脅威や環境破壊なども危惧されています。賢いはずのヒトが、自らの脅威と危機を招いているのも賢い人の副作用とでも呼べるような危機的状態を招いております。
今一度「本当に賢いヒトとは何かと人類に問いかけている気がします」。

五感プロデュース研究所、荒木行彦

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