2013年5月10日金曜日





中国公安省は3日、廃棄後の油脂から抽出した再生食用油
「地溝油(どぶ油)」を販売していたとして、浙江省の業者ら100人余りを
拘束し、約3200トンの地溝油を押収したと発表した。
密造グループは主に食肉処理場で廃棄された牛や豚、羊の内臓や皮から
油を抽出しており、中国メディアは「新たなタイプの地溝油」と伝えている。

 発表などによると、浙江省金華市の警察が昨年10月、住民からの異臭の訴えを
受けて捜査を開始し、13カ所の製造拠点を摘発。地溝油は上海市や重慶市、安徽省、
江蘇省などの業者に販売され、市場に出回っていた。
グループは昨年1月から11月までに1000万元(約1億3000万円)余りを
売り上げていたという。

中国では、残飯や下水溝の廃油から抽出した地溝油の流通が社会問題となっている。
司法当局は今年2月、「地溝油に絡む犯罪は民衆の健康に重大な損害を与え、
国家のイメージに多大な影響を及ぼし、共産党と政府の信用を損なう」として
最高刑を死刑にする通知を出している。

ひどい事件ですが、実はこれは今回が初めてとうわけではなく、以前にも
同様のどぶ油を巡った事件が中国で起きています。

「下水油」を当局が一斉摘発…
日本にも輸入されている可能性あり


2011年9月13~14日にかけ、中国で「下水油(地溝油)」 ( ドブ油 )
一斉摘発が行われた。
下水油とは、その名の通り、下水道や排水溝から汲み取った油脂を含む
ゴミから精製する油のこと。

主に飲食店の排水溝や、豚肉・鶏肉・羊肉などの残飯から回収され、
炭酸カルシウム等を使って不純物を取り除いた後、人体に有害な劇薬を用いて
中和させて精製するのだ。

我々の想像をはるかに超えるシロモノだが、今回の摘発で中国当局は
全国で業者32人を逮捕し、合計100トン以上の下水油を発見したという。

下水油の存在は2005年頃から一部でその存在が明らかとなり、近年、
各地で小規模の摘発が相次
いでいたが、当局はようやく重い腰をあげ
全国規模の「下水油殲滅作戦」に発展したという。

武漢工業大学の何東平教授が2010年に行った調査によれば、年間200万~300万トンの
下水油が市場に出回っており、国内の食用油市場の1割を占めているという。
さらに同教授は、下水油を精製時に使用する薬品の中に、ヒ素の100倍以上の
毒性を持つ 発がん性物質「アフラトキシン」も含まれているという。
下水油を摂取し続けると、間違いなく“死”が待っているのだ。

中国在住のフリーライター・吉井透氏は言う。
「一斉摘発を受け、中国版ツイッター『微博』などでは、『5つ星ホテルのレストランでも
利用している』という内部告発や、『四川料理に含まれている可能性が高いから、
しばらく食べない』などという書き込みを見ます。

露天の屋台から、ガイドブックに載っているような高級中華まで油断できない状況で、
外食を控えようという動きが出ています」

 四川料理は「水煮魚」(唐辛子と花椒で味付けした油で魚を煮込んだ料理)など、
大量の油を使用するメニューが多く、下水油の需要が高まったのではないかと
吉井氏は指摘する。 
また中国のネット上で広まっている「下水油の見分け方」には、
「少しでも辛さを感じたらそれは下水油だ」という記述があり、
四川料理店から排出される大量の油が再利用されるケースが多いことが伺える。
中国製の食用油は日本に輸入されることはまずないため、「隣家の火事」だと思って
安心している人が多いかと思うが、実はそうでもない。
都内の中華料理店で働く中国人調理師はこう警告する。

「トウバンジャンやラー油など、大陸から輸入される、油ベースの香辛料も
実は多いんです。そこに下水油が含まれている可能性はゼロではない。 
日本メーカーの製品や国内に販売代理店のあるメーカーのものは安心ですが、 
中華系食材店で売っている直輸入の香辛料は玉石混交。 
私も一度、直輸入されたザーサイのラー油漬けを買ったところ、開封すると 
ものすごい悪臭で、ヤバいと感じてそのまま捨てたことがあります。 
本場の香辛料を使うとやはり味が違うので、直輸入された香辛料を使う
中華料理店も あるでしょう。 
だから日本国内のレストランであっても、油断できないのが現状です。 
もちろん、中華料理をメニューで出す日本の飲食店の人たちも、 
徹底して日本のメーカーのものを使ってほしいですね」





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